安藤雅信のイタリア皿 [食器]
安藤雅信 イタリアパスタ皿 IP-SS
date :?
material :白釉陶器
manufacturer / client :安藤雅信工房 /Japan
入手日 :2020年10月
安藤雅信のオランダ皿と並ぶ定番作品のイタリア皿。
これは直径約23cmのイタリアパスタ皿 IP-SSというモデル。
名前の通り、パスタによく合う。
この歪みが見ていて、安心させられる。
手作りのやさしさが伝わってくる。
自然なモノ以外は、周りには細部まで整ったモノに囲まれていると、余計に感じる。
釉薬はマットな白。
マットなのでカトラリーが擦れる音はやや気になるぐらい。
パスタを食べる際のフォークの傷がだんだんついてきたけれど、個人的には味だと思うし全然気にならない。むしろこの経年変化が良い。
この傷は300番位のサンドペーパーで取ることも出来るみたい。
裏から見る姿がかなり特徴的。
表向きスタンダードなデザインだけど、裏から見るとクセが強い。
食器で相反する2面性を感じることは、あまりない。
安藤雅信のカップ&ソーサー(コーヒー) [食器]
安藤雅信 コーヒー カップ&ソーサー
date :?
material :陶器+純銀
manufacturer / client :安藤雅信工房 /Japan
入手日 :2019年8月
安藤雅信のカップ&ソーサー。
銀彩シリーズ。
こちらは先日アップした白釉のカップ&ソーサーと違って、陶器と純銀でできている。
本焼成された素地の上に純銀を上絵焼き付けしているとのこと。
なので陶器でできている以外は銀食器と同じ扱いをしなければならない。
電子レンジは使えないし、食洗機もできるだけ避けて欲しいとのこと。
黒ズミも出てくるし、少し取り扱いがめんどくさい。
でも磨けば元に戻るし,普通の陶器にはない金属質ならではの経年変化が楽しめる。
これはコーヒーというモデルで、先日アップしたカプチーノより少し大きい。
カプチーノが140〜150ccぐらいで、こっちは200ccぐらい入る。
気分によって使い分けているけれど、大きさの違いはあまり気にならない。
少しでも1杯を多く飲みたいという人以外は、小さいサイズでいいと思う。少しは安くなるし。
この銀彩シリーズは、小さい順に「カプチーノ」「コーヒー」「カフェオレ」「ビッグマグ」と4種類あります。
ソーサーも微妙にサイズが違います。
このカップにはこの大きさ。と試行錯誤したんだろうなと思う。
この取っ手が、持ちやすい。
人差し指を輪の中に入れて,中指を湾曲した部分にあてて支える。
普段カップを持つ時に、どう持っているのか意識することはなかなか無いけれど、そういうことを意識しながら、おうち時間が増えた今を楽しみたい。
安藤雅信のカップ&ソーサー(カプチーノ) ミナペルホネンコラボ [食器]
安藤雅信 カプチーノ カップ&ソーサー
date :?
material :白釉陶器
manufacturer / client :安藤雅信工房 /Japan
入手日 :2017年7月
安藤雅信のカップ&ソーサー。
これはカプチーノというモデルで、やや小ぶり。
なみなみと注いで140〜150ccぐらい入ります。
安藤さんの食器はどこにでも売っているわけではなく、ネットでも売り切れが多くて、チャンスがあれば欲しくなる。
これは岐阜県多治見市にある安藤さんの拠点、ギャルリ百草で手に入れた。
ギャルリ百草にはちょっとしたカフェもあって、そこでコーヒーを頼むと、このカプチーノに淹れられて出てくる。そこで一目惚れでした。
安藤さんは、10代の終わり頃からコーヒーにはまっていたようなので、このコーヒーカップも相当、試行錯誤した作品なんだろうなと思う。
片口のような形状。
手に持つ時に、少しだけ指の負担をおさえる取っ手の形状。
取っ手が破損した時には、焼き直しも受け付けてくれているとのこと。
たまたまミナペルホネンとのコラボカップがあって、そちらにした。
ミナペルホネンの服やアパレルとしての考え方も好き。
そのコラボだったので。
ミナの蝶々がプリントされています。
ミナペルホネンの皆川さんと、安藤さんは交友があるようで、2010年からギャルリ百草で、ミナペルホネン展を定期的に開いているそうです。
2人の共通点は、特別な日常の為の食器や服を作っている。と何かで見た記憶がある。
特別な日常。
少し値段が張っても、使うたびに喜びを感じることができて、長く使い続けたいというオモイに応えてくれるブランドはあまり無い。
日常使いしています。おすすめ。
安藤雅信のオランダ皿 [食器]
安藤雅信 オランダ皿
date :2000年
material :白釉陶器
manufacturer / client :安藤雅信工房 /Japan
入手日 :2019年11月
北欧もいいけれど、日本の食器にもいいモノがたくさんある。
安藤雅信のお皿。
直径13センチぐらいの、オランダ皿と呼ばれているモデル。
ソーサーかと思うぐらいリムが大きくて、使いにくいのかと思ったけど、意外と使える。
1997年に古道具坂田が開催したオランダ白釉陶器展で、衝撃を受けて3年かけて再現したそう。
白だけでも100種類以上作って色々試したそう。オランダ皿にはマットな白の釉薬が使われています。
オランダ展なら17世紀のデルフト白釉だったのかなぁ。デルフトの白釉だと割れてても、今やすごい価格になってる。
上から見るとあまり分からないけれど、この横から見た時の手仕事が伝わってくるフォルムがたまらなくいい。
世にある食器と比べると決して安くはないけれど、1点1点ハンドメイドと考えたらすごく安いと思う。
2枚持っているけど、先日不注意で割ってしまった。
普通ならそこでおしまいなんだけど、このオランダ皿は違う。
デルフトもそうだけど直して使ったり、欠けたまま使っても許される感じがある。
安藤政信氏は、欠けた状態でも美しく使えることを意識しているらしい。
白い釉薬ならその白に近い土の色を使って作っていて、割れてもあまり目立たないようにしているとのこと。
確かに割れ部分が同じ色。
今まで割れた皿を使ったことはなかったけれど、普通に使っています。
これは偶然か分からないけれど、割れた部分も鋭利ではなく、皿洗いのときにも気にならない。
たぶん、10年後も飽きずに使っていると思う。
タグ:食器
横須賀美術館/山本理顕 [アート]
山本理顕
横須賀美術館
date. :2007年開館
place. :神奈川県横須賀市鴨居4−1 /Japan
電話 :0468451211
開館時間 :10:00〜18:00
休館日 :毎月第1月曜日(祝日の場合は開館)、12月29日〜1月3日
駐車場 :有(1時間320円 1日上限1,600円)※展覧会観覧の場合は1時間無料
訪問月 :2020年12月
公式HP:https://www.yokosuka-moa.jp/
横須賀の市制100周年を記念し建てられた横須賀美術館。
目の前に東京湾が広がる三浦半島に建つ美術館。
美術館の前に広がる芝生が気持ち良さそうで、愛犬と車で行ってきました。
敷地の芝生はペット可です。(リード必須)
駐車場は美術館の地下にあり、割と小ぶりな美術館にしては、結構台数も停められる。
展覧会観覧の場合は1時間無料です。
ゆっくり観覧して、敷地を愛犬とぐるっと回って2時間ぐらいの滞在だった。
本格的なレストラン「アクアマーレ」もある。
3000円以上の食事で駐車料金が1時間割引とのこと。
美味しそうだったんで、次はここで食べてみたい。
建物はファサードがガラスと鉄板の入子構造になっていて、遠くから見た印象と近くから見た印象が違う。裏へ回ると裏にもちょっとした芝生広場があって、裏の山側からも入館できる。
おそらく近所に住んでいるであろう人たちが、犬の散歩をしたり、芝生でストレッチをしてたりと、地元に溶け込んだ感じがまた良かった。
この美術館には、図書館もあって、かなりこじんまりとしてるんだけど、美術に関連する書物に絞られていて見ていて飽きなかった。ミナペルホネンの本とかもあったり。
こんな図書館が近所にあれば理想なのに。
裏の山側からか、館内から階段を上って(エレベーターもあり)屋上に出ると、東京湾が見える。
たくさんの船も見えて、横須賀を感じられます。
ちょうど、色鮮やかなたくさんのコンテナを積んだタンカーが。
海外に行けない今、これだけでもワクワクする。どこの国から来たんだろう。
普通に車で来ると見つけにくい、入り口。1周して気づいた。
若林奮氏の作品。奥に見えるのが横須賀美術館。
企画展は倉重光則氏と
天野純治氏の作品が展示されていた(※2020年12月25日まで)
その他に常設展も所蔵作品は絵画を中心に結構なボリューム。
絵画は(も)全く分からないけれど、朝井閑右衛門の絶筆の「薔薇」は凄いと感じた。
これはパンフレットやネットでは分からない、一見の価値がある作品だと思った。
遠くから見たり、近くに寄って見たり。1番長く見ていた。
朝井氏は「単にバラを描くのではなく、画面の上で新種のバラを咲かせているのである」と言ったそうです。
美術館アクセスランキング ベスト5 [アート]
10年以上前にブログを始めて、主に北欧のモノについて書いてきたけれど、アートも好きでいろんな美術館に行ってきた。
記事も少しは溜まって来たので、どの美術館へのアクセスが多いのかランキングにしてみました。
10年近くほったらかしにしていたこのブログ。
そんなブログでもアクセス数に差が出てくるということは、その上位の美術館は多数の人から見て魅力がある美術館なんだろうなと。
どんな人の批評より、その時の盛り上がりやその時の価値より、一番信じられるのは、時の経過を乗り越えることができたかどうかだと思う。
関西に住んでいたので地域が偏ってるし、10年ぐらいのランキングなので最近アップした記事が上位に来るわけもなく、行っても記事にしていない美術館の方が多いけれど、あくまでこのブログ内でのアクセスランキングということで。
それでは早速ベスト5を紹介。
順位をクリックすると過去の記事に飛びます。
■【第5位】直島
2010.9.23アップ アクセス数2,507回
いきなり美術館ではなく島ですが、2010年の瀬戸内国際芸術祭の時に行った時の記事。
岡山県と香川県の間の瀬戸内海にある島。
世界各国の著名人が、ヘリコプターで乗りつけて来ているという噂があった。20年ぐらい前の話だけど。
この島には今やいろんな建物やアートがあるけれど、1992年にオープンした直島コンテンポラリーアートミュージアムという安藤忠雄が設計した美術館が、この島のアート化の始まり。
2000年ぐらいに初めて行ってから、もう何回行ったか覚えていない。
見どころが多すぎるけれど、個人的には家プロジェクトが一番好き。
その中でも安藤忠雄設計で、ジェームズ・タレルのアート南寺の「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」には本当に感動した。こういう形のアートってあるんだなと。
これは予備知識無しで見た方が良いです。
現代アート初心者であればある程、楽しめると思う。僕がそうだったように。
■【第4位】旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)
2009.5.5アップ アクセス数2,515回
これも美術館と呼んでいいのか。。
兵庫県芦屋市にある建築物。
近代建築の三大巨匠の1人と言われるフランク・ロイド・ライトの建築。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館が代表作。
そんな人の作品が日本にある。いろいろといわく付きではあるけど、日本では旧帝国ホテルが有名。
旧山邑邸は1924年に垂れたれた建築だけど、それが100年近く経った今、日本で見ることができるというのは有難い。また行きたい。
建築だけじゃなくて、タリアセンも最高。
■【第3位】六甲枝垂れ
2010.7.25アップ アクセス数2,939回
三分一博志の作品。兵庫県神戸市にある。
瀬戸内海に浮かぶ犬島アートでも有名な人。
正直、今回のアクセス数を調べるまで存在を忘れてた。でも今調べてみるとホームページも充実していて四季を楽しめる場所として残っている。
確かできた当時に行ったと記憶しているので10年は経っている。
行った時に良かったと思えた僕が、2回目を行ってない。それでも10年続く店は5%以下と言われるこの時代で、未だに残っている。僕よりもっともっと感動を覚えた人が多かったのだと思う。
■【第2位】熊野古道なかへち美術館
2012.8.19にアップ アクセス数3,342回
和歌山県田辺市にある、妹島和世と西沢立衛のユニットSANAA設計の美術館。
これは意外だった。設計者は有名だけど、美術館としてはかなりマイナーだと思ってたので。
規模としても小さいし、SANAAとしては金沢21世紀美術館の印象が強いし。
そういえば昔、社会人になりたての頃、友人たちと熊野古道歩いたなぁ。
ひたすら歩いて、寺に泊めてもらって、精進料理食べて、お経聞いて。
モノに依存してきた僕だけど、やっぱり「経験をした」というコトは、人生において何ものにも代え難い
ことだと思う。
■【第1位】光の教会
2009.4.26アップ アクセス数4,438回
堂々の1位。大阪府茨木市にある安藤忠雄設計の教会。これも美術館じゃない。。
氏の教会三部作の一つ。
前に住んでいた家から近かったので、何回も行った。
その頃は世界中からいろんな人が来ていた。日本に生まれ、住んでいることを運が良いと思えた場所。
今はコロナの影響で見学を停止しているので、世界での感染が終息するまでは我慢ですが。
他は以前書いた北海道の水の教会と下の写真の兵庫県の風の教会がある。5年前に初めて行くことができた時の写真。
2015年に8年ぶりに六甲ミーツ・アートで公開されていました。
20年以上前に憧れの先輩が結婚式を挙げていて、羨ましかった。
風の教会は長い間、入ることができずイベント時のみの公開だったのが、今は常時結婚式もできるみたい。
以上、ランキング紹介でした。
また10年後には変わってるかな。
十和田市現代美術館/西沢立衛 [アート]
西沢立衛
十和田市現代美術館
date. :2008年
place. :青森県十和田市西二番街10−9 /Japan
電話 :0176201127
開館時間 :9:00〜17:00
入場料 :1200円※建物外は無料
休館日 :月曜日
駐車場 :敷地内に駐車場あり
訪問月 :2020年10月
公式HP :https://towadaartcenter.com/
GoToトラベルを利用して東北1週旅行へ行った時の話。
青森県は美術館だらけで、廻りきれなかった。
先日書いた国際芸術センター青森から車で約1時間半。
ここからだと有料道路を使っても、使わなくてもたいして変わらない。
となると当然下道で。
弘前れんが倉庫美術館→青森県立美術館→国際芸術センター青森→十和田市現代美術館というルートでした。
※それぞれの美術館名をクリックすると記事に飛びます。
当日は秋田の出戸浜あたりからのスタートで少し遅れたので、最後の十和田市現代美術館17時閉店に結構ギリギリ。
見どころが多くて、建物の周りにも色々とあったけれど、暗くなってきたし全部は見きれなかった。
青森県の美術館を見ようと思ったら、青森だけで1泊してゆっくり見るのがおすすめです。
他にも隈研吾のトワーレとか安藤忠雄の十和田市民図書館とか前川國男の建物がいっぱいあるので。
十和田市現代美術館の設計は西沢立衛。
妹島和世とのSANAAで有名な人。石川県にある金沢21世紀美術館も良かった。
金沢21世紀美術館は、展示室の作品が常に入れ替わっているけれど、十和田は大半が恒久展示。
なので、近年では稀な作品ありきで設計しているそう。
昔行った豊島美術館も良かった。
これは内藤礼氏の作品のためだけに作られた西沢立衛設計の美術館。よく考えたら贅沢すぎる。
関西圏の方はSANAAとしての、和歌山県にある熊野古道なかへち美術館も小ぶりだけど、周りの自然に溶け込んだ良い美術館でした。
この十和田市現代美術館はコンパクトな美術館だけど、時間が全然足りなかった。
庭から屋上まで小さな建物をフルに使ってる。
屋上から見るとこんな感じ。
所狭しといろんな展示があるけれど、少し紹介すると
■ロン・ミュエクのスタンディング・ウーマン
おっきい
すごくリアル。指輪の食い込みまで。
よく見ると服の毛玉まで。
上に写真で部屋の奥によく見ると、フィリップ・スタルクのラ・マリーが置いてあった。
国際芸術センター青森にもあった椅子。
透明で作品の邪魔をしないから、美術館向きなんだろうな。
■スゥ・ドーホーのコーズ・アンド・エフェクト
よく見ると、全て人形。聞くと10万体ぐらいで制作しているらしい。
■アナ・ラウラ・アラエズの光の橋
外にもたくさんの作品がある。これはいつでも誰でも無料で見ることができる。
近所の人が羨ましい。
■草間彌生の愛はとこしえ十和田でううたう
■インゲス・イデーのゴースト・アンノウン・マス withユール&マーリ
■エルヴィン・ヴィルムのファット・カー
あっという間に日が暮れて。
そうして、十和田市現代美術館はさらに綺麗になった。
北欧ソファまとめ【12年後】オーレ・ヴァンシャーのソファ [家具]
Ole Wanscher(オーレ・ヴァンシャー) イージーチェア
date :1960年?
material :チーク
manufacturer / client :France &Son(フランス&サン) /Denmark
使用年数 :12年
初めて手に入れた北欧家具。
我が家に来てから、今年の10月でちょうど12年。生産されてからは50年以上になる、僕の愛してやまないモノ。
今回はちょっと真面目に北欧家具を語ってみようかと。
このオーレ・ヴァンシャーソファを12年使ってみて、僕の北欧のソファを選ぶ際の「フレームの材質」や「クッション」や「生地」や「座り心地」、「背もたれの角度」や「メーカー」なんかの基準や感想を備忘録も兼ねて。
あくまで個人の意見だけど、決して安くはない北欧ヴィンテージソファを欲しいな思っている人や、迷っている人の参考になれば嬉しいです。
【購入動機】
当時は北欧ブームだったけど、それだけじゃなくて50年も残るようなデザインや、そのモノ自体はさらに50年ぐらい使えそうで、コストパフォーマンスがいいと思ったから。
家具に限らず新品よりはヴィンテージが好きだったからということもあるけれど。
以前の記事にも少し書いたけど、フレームとなる木材は当時はしっかりと乾燥されてから世に出ていたので、家具に加工する際も狂いが出にくい良い木が使われているとか、昔のモノの方が丁寧にしっかりと作られているイメージも愛重なって。
【1シーター選択理由】
当時はカリモク60のKチェア2シーターで満足してたし、単純に北欧家具でよくある3シーターは高くて手が出なかった。
あと1人用ソファという贅沢な感じがあることや、場所も取らないというところも魅力だった。
そんなわけで、3シーターは諦め、1シーターのソファを探してた。
それでもなかなか手が出るモノはなかったけれど、ある時ほんとボロボロな状態のソファをネットで。
これがこのオーレ・ヴァンシャーのソファ。当時ネットで探しても、なかなか同じデザインを見つけられなくて、本物か悩んだけれど、メーカーがフランス&サンだったので作りは良さそうだと思って。
しかもボロボロな分お値打ちだったので。
今現在も同じモデルは見つけられず。
ただロッキングチェアでは、酷似したモデルがある。
これのロッカー部分を切ったのかなぁ。
いろんなことを想像できるのもヴィンテージならではの楽しみ。
※オーレ・ヴァンシャーではModel 166が比較的出回ってる。
最初下の画と同じモデルかと思ったんだけど、よく見るとこちらは後脚から背もたれへ綺麗にラインがつながっている。
こちらも同じフランス&サン製で、フレームはチーク材。座面はウレタンのみだけど、背もたれはスプリング内包のクッション。多分フレーム座面はフラットバネ仕様、生地はおそらくリバコ。結構状態は良いと思います。
写真判断ですが。
この説明では、???の人は、読み進めて頂ければもう少し意味が分かると思います。
この166でも背もたれはいろんな形があるので、トライアンドエラーを繰り返して、常にリニューアルをしてたのだろうか。
どんなロングラン商品も、その時その時の時代に少しづつ沿っていくようなリニューアルは必要だと思う。
その結果がロングラン商品になる。
【ファブリック(生地)】
当初ソファの生地はヴィンテージで、手に入れてから数ヶ月は使ってたんだけど、元々だいぶ傷んでいたので、すぐに穴が空いてきた。
そこで生地を張り替えてもらった。
北欧家具の張り替え生地といえば、デンマークを代表するメーカーのクヴァドラが有名だけど、生地が素晴らしいのに比例してお値段も素晴らしく、色々と悩んだ挙句、リバコの生地(NCシリーズ)にしました。
色のバリエーションがかなり多い。色、結構迷ったなぁ。紫で正解だったけれど。
生地の値段だけじゃなくて張り替えの値段もかかるんで、結構した記憶があります。
値段覚えてない。。。クヴァドラよりは遥かに安かった記憶だけはある。
リバコは日本のメーカーの生地。これが結構良くて、いろんな家具屋さんで、いろんな張り替えに使われている。
我が家のペーパーナイフソファもリバコ生地です。こちらはフレームだけの状態だったんで、ウレタンから全てゼロから作ってもらったんだけど。
一見少し暑そうに思えるんだけど、真夏の暑い時期にエアコンを使わない状況でなければ、年中快適に座れます。そしてこのリバコの生地はかなり丈夫。
もう12年、頻度高く使ってるけれど、まだまだ使えそう。
張り替えが比較的簡単にできるのも、北欧ソファのメリット。
あと10年ぐらい使ったら、レザーに張り替えしてみたい。
一生楽しめると思う。そしてその間に価値はどんどん上がっていく。
張り替えは、北欧ヴィンテージ家具を扱っている店ならどこでもできると思う。
自分でやっているところは少なくて、大抵、腕の良い職人さんと繋がっている店が多いです。
僕みたいにネットで購入したモノは受け付けてくれないことも多いけれど、やってくれるところもあるし、他に興味のあるモノを購入することで、受けてくれるところもあると思います。
【フレーム】
北欧家具に使われている木材は、主にチーク、オーク、ビーチ、ローズウッド、プライウッドの5種類が多いと思う。
これはチーク。
それぞれの特徴を簡単に。
チーク:水に強く、昔から船の材料に使われていた。
家具例:我が家のオーレ・ヴァンシャーとカイ・クリスチャンセンのソファはチークです。
個人的には一番好きな素材。手触りが少ししっとりしている感じがする。
オーク:元は明るい色だけど、使い込むうちに落ち着いた色合いになる。丈夫で加工性も良い。
家具例:ウェグナー のGE290とかモーエンセンのJ-39とかによく使われています。
ビーチ:世界で一番多く使われている家具用木材。乾燥して狂うことが多い木だけど、コストが安い。
家具例:ウェグナー のYチェアでよく使われています。オークやチェリーとかの木材でも生産されているけど、ビーチが一番安い。とは言っても現行品で10万ぐらいするけど。
ローズウッド:高級木材。特にブラジル産のブラジリアン・ローズウッドは憧れ。
加工性はよくないらしいけど、木目が美しくて人気がある。もうなかなか手に入らない。
家具例:希少。代表するものが思い当たらない。
プライウッド:成形合板。1950年以降の主力。当初は技術的に問題が多かったらしいけど、今は技術が上がりなくてはならないもの。コストが安い。木の質感はほとんど感じない。
家具例:アルネ・ヤコブセンのセブンチェアなんかが有名です。
同じ家具を作るとして、値段の高い順に並べると、ローズウッド→チーク→オーク→ビーチ→プライウッドかな。一般的に。
この色と曲線が美しい。
強度を保ちながら、デザインでも魅せる。
おそらく釘は使われていないし、ネジも極力使っていない。使っても見えないところにある。
【背もたれの角度】
角度があまりないけれど(直角に近い感じ)、在宅勤務が増えて、仕事をするには最適。
緊急事態宣言が出て、在宅勤務が続いていた頃は、皆、会社の椅子って意外に良い椅子を使ってたんだなーとか、椅子がしんどくて、最強のクッション探してるとか言っていたけど、このソファで仕事していた僕は、もう何時間でも座ってられるなー、家の方がいいなと思ってた。
でも思いっきり背もたれに体を預けてくつろぎたい時には不向きかも。
我が家のペーパーナイフソファはこれよりもっと角度が広くて、ゆったり座れるイメージ。
有名どころだとウェグナー のGEシリーズなんかは、さらに角度が広い。
個人的には、ソファでゆっくりコーヒーやお酒を飲むことが多いので、前にテーブルを置いてたりすると、角度が広過ぎるソファは都度、体を起こすのが大変。
本を読むときなんかは、しっかり体を預けられる角度の広いソファの方が向いているかも。
まぁどれにしても、長時間の使用に耐えられると思います。
【クッション】
クッションは、よくあるウレタン製じゃなくて、ウレタン+コイルスプリング製で、購入時からそのコイルスプリングが中で折れていて、座ると刺さる感じで痛いぐらいになった。
ウレタンも劣化していて、生地の張り替えの時に、ウレタンのみで作り直すか、コイルスプリングを活かすか迷った。
でもコイルスプリングの方が貴重だし、ウレタンはコイルスプリングが完全にダメになってからでも作れるなと思って、コイルスプリングを活かした。
折れたところに厚めにウレタンを加える処理をしてもらったんだけど、12年経ってもどこがその部分なのか分からない。
座り心地は、好みだと思うけれど、正直そんなにコイルスプリングもウレタンも変わらない。
コイルスプリングの方が反発力はある感じ。
普通に取り外しができるのがいい。
掃除はしやすいし、たまに天日干しなんかも、気軽にできる。
【フレームの座面のゴム】
これが北欧ソファの座り心地をよくしている一番の功労者じゃないのかと思う。
ファブリックの間にゴムが入っています。上から見ても下から見ても見えないけれど、触った感じフラットバネが使われていると思う。他にもウェービングテープ仕様とかチューブスプリング仕様なんかがあります。
ペーパーナイフソファならこんな感じ。
ワイヤースプリングとかチューブスプリングとかの名称です。
こちらの方が交換はしやすいけれど、どちらも10年以上使った感じ、フラットバネの方が耐久性はある。チューブスプリングの方は、よく座る箇所のゴムが少し伸びてきた。
クッションだけでも相当座り心地がいいのに、これがあることで、さらにクッション性が増します。安定します。
【メーカー】
フランス&サン社。名前からしてフランス製っぽいけど、デンマークの家具メーカー。
現在はもう無いメーカーです。
フィン・ユールのデザインも作っていたりする技術の高いメーカー。
※フィン・ユールのデザインは家具の常識から外れていることがあり、生産が難しいらしいです。
似たようなマークのCADO社製のものもたまに見るけど、それはフランス&サン社が1966年にCADO社に事業を継承したから。なのでこのソファは1966年以前のモノということになる。
【嫁さん対策】
引越しの際に、一番に手放したらと言われたのが、このソファでした。
嫁さんは大抵、ペーパーナイフソファ(3シーター)を使ってたので、そっちがあれば1シーターは
いらないじゃん。という考えで。置く場所もないし。
なんとか説得できたのは、購入時の価格を説明して(リペア代は含んでないけれど)、今の相場を説明したから。
売れば?と言われたけど、もう2度と同じモノは作れないから、もっともっと上がるよ。ということで、下手な投資より確率が高いし、投資中に使用できることもポイントだった。
もう一脚買うなら王道のウェグナーかなー。
デザインとしてはフィン・ユールが好きだけど、強度が気になる。
model166をハイバックにした169というのもある。
こちらはCADO社製で1980年頃とのこと。
フレームはチーク材。多分フレーム座面はフラットバネ仕様、生地はヴィンテージ。
クッションはオリジナルだからウレタン&コイルスプリングだと思うんだけど、80年代ということと、CADO社製ということで、聞いてみないとよくわからない。かなり珍しいモデル。
しかし会社が変わったのに、何十年も同じモノを作り続けるというのは、当時も魅了された人が沢山いたんだろうなと思う。
もう会社自体がなくなっしまったのは本当に残念だけれど。
勝手にオモイを馳せると、腕の良い職人さんがどんどん高齢化したり、このクオリティを維持しようとすると費用対効果が合わなくなってきたけれど、クオリティを落とすぐらいなら、事業をたたむと判断したのかなぁ。フランス&サンからずっと働いてる職人さんもいただろうな。
もう全くの推測でしかないけれど。
弘前れんが倉庫美術館/田根剛 [アート]
田根剛
弘前れんが倉庫美術館
date. :2020年7月開館
place. :青森県弘前市吉野町2−1 /Japan
電話 :0172328950
開館時間 :9:00〜17:00
休館日 :火曜日(休日の場合は翌日に振替)、年末年始
駐車場 :近隣有料駐車場
訪問月 :2020年10月
公式HP:https://www.hirosaki-moca.jp/
GoToトラベルを利用して東北1週旅行へ。
4泊5日の旅だったけれど、GoToトラベルの恩恵を受けたのはホテル泊2日だけで、あとは車中泊でした。
走行距離1900キロだったので、燃費の悪い我が家の車では、ガゾリン代がすごいことになった。
長距離旅行はレンタカーの方がいいんじゃないかと思った。
それでもGoTo効果はすごい!ホテル代が今まで割引されることはあまりなかったし、クーポン券ももらえるんで、なんか使ってるだけで、その旅先に貢献してる気にさせてくれます。
チェックイン日と、その翌日しか使えないところもうまくできていると思う。
でも近隣の県では使えるので、使う場所がないってことにはならなかった。
そんな呑気に旅行できるのも今のうちかも…。
冬のボーナスカットという噂がちらほらと…。
そうは言っても人生1回きり。
節約して節約して、リスクをとりまくって、我慢して生きるより、好きに生きたい。
人生は過去には無くて、未来にも無くて、今にしかないから。
今を楽しめなければ、過去も未来も無い。
とはいえ、今を楽しめない時はあるし(常に経験してます…)、ある程度の人生設計の元にではあるけれど。
そんな言い訳のもとに、弘前れんが倉庫美術館に行ってきました。
設計は田根剛。
知らなかった。けど調べてみると、数々の受賞歴がある上に、フランス政府公認建築家とのこと。
最近できたNEWoMan横浜を手がけた人でもあります。
中には奈良美智のあおもり犬がいます。
青森にはやたら奈良美智氏の作品が多いと思っていたら、青森出身だそうです。それも弘前市。
この場所が、弘前れんが倉庫美術館と呼ばれる前から何度か企画展をやっていたそうで、そういった行動が、この建物を残す一因になったように思う。
この弘前れんが美術館は2020年オープンだけど、建物自体ができたのは1907年頃のこと。和暦で言うと明治40年、中国は清と呼ばれていた時代。
実業家 福島藤助が酒造工場として建てた。
当時は木造の建物が一般的で、レンガ造りなんて工期も費用もかかるけれど、かりに事業が失敗したとしても、建物が残れば必ず何かの役に立つ。弘前の将来のために遺産として役に立てばそれで良い。と言ったらしい。
こうやって、自分がいなくなった世界に名前が残る生き方に憧れる。
この後に、本当に様々な紆余曲折があったけれども、100年以上経った今、まだこの建物は残っている。
老朽化が進んでいたので、今の建築家が蘇らす形で。
田根剛氏曰く、一般的には古い建物の改修では、新たに設計する部分の素材と古い素材を対比させる手法をよく取るけれど、今回は福島藤助の意を継いで、元々あったものを残すようにしたそう。
なので今の建築基準に合うように?レンガには鋼の棒を通して強度を補強したり、老朽化したレンガの交換の際にも、既存のレンガにいかに近づけるか、何度も実験してレンガから作ったそうです。
よく見ると新旧のレンガが混ざっています。
この入口は田根剛考案の「弘前積みレンガ工法」だそう。
僕も今、モノを作る側の仕事になって思うけれど、相当大変だったと思う。
自分の持ち物ではないから、残したい人、変えたい人の意見を汲み取りながら、行政として認められるモノにしながら、建築家 田根剛としての存在感を出さなければならない。気が遠くなりそう。
事実、屋根はこの建物がシードルを製造していたという経緯からシードルゴールドにしたいという中、反射などで周辺の道路に危険はないか等、言われていたみたいです。
でも実現しているのはすごい。
おそらくだけど、当初の模型を見ると屋根は大きく庇が十分にあったのが、ほとんど庇がない作りになっています。そういった理由で庇を短くしたのかもしれない。
急に雨が降ってきた時に、凌げるところが入り口しかなかった。
全くの見当違いかもしれないけれど、そんなことを考えながら建築を見るのは楽しい。
建築家がどんどん考えを語ってくれると嬉しい。
愛犬ユールも一緒に。
マーリも一緒。
館内には入れないけれど。
田根剛氏の生まれ年を知った。1979年生まれ。若い…。
このように若くして世界に名を轟かせる人もいるのに自分は…
なんて考えずに、今を生きようと思う。
【15年後】エンツォ・マリのシルクスクリーン(シルクスクリーンプリント) [オブジェ]
Enzo Mari(エンツォ・マリ)シルクスクリーンポスター
TRE LA MELA LA PERA(りんごと洋梨)
date :1963年
material :シルクスクリーン
size. :約780×1120
manufacturer / client :DANESE(ダネーゼ) /Italy
入手日:2005年頃
ちょっと空間とお金の関係を考えてみた。
家は部屋の広さによって家賃が違う。当たり前だけど、同条件なら広い方が高い。
そして一般的には狭いより広い方がいい。
けれどモノがぱんぱんに溢れていた3LDKから、ひたすら断捨離して1LDKに引越しして思った。
全然問題なく住める。
まぁ元々が、夫婦2人にしては広すぎたんだけど。
我が家の場合は、家具の占める割合が多かったけれど、なくても困らないモノが多数だったと思う。
オモイがいっぱいあって手放せなかっただけで、使っていなかったモノも多数あった。
転勤がなかったら一生持っていたかもしれないけど、断捨離してみて、手放すことで見えてくることもあった。
本当に必要なモノ=使う頻度が高いモノという定義が成り立つと思った。
必要だけど極端に使う頻度が低いモノは、レンタルで対応できたりもする。
例えば我が家では、大きいスーツケースはレンタルしている。
年に1回も行かない海外旅行の時ぐらいしか使わないので、長期的に見るとコストパフォーマンスはいい。
これが、仮にスーツケースを2つ持っていたら、今の家では置く場所がない。ほんとに。
そういったことが積み重なって、自分の空間はお金で手に入れているんだと、改めて思った。
そのモノは、その空間を占めるだけの価値があるのか。
それを意識していきたい。
前置き長くなりましたが、空間の負担には、ほとんどならない大きいモノもある。
例えば、このエンツォ・マリのシルクスクリーンポスター。
場所を取らないのに、壁にセットすることで一気に雰囲気が変わる。
エンツォ・マリはもうあらゆるデザイナーの中で一番好きな人。
デザインも生き方も。
手に入れたのは15年ぐらい前。
毎日目に入るところにあるけれど、全く飽きない。
モノトーンだからかな。
でも額にも入れず、結構雑に扱っていて、前の家だと廊下に飾っていたので、何かものが当たったり、爪で引っ掻いてしまったりで傷だらけ。
だけどシルクスクリーンなので破れてはいない。傷も遠目には分からない。
良いモノだと、しみじみ思う。
もう一つ緑の洋梨も、まだ我が家にある。こちらについてはまた。過去記事はこちら
額に入れた方がいいとは思うんだけど、なかなかこのサイズの額がなくて、あっても高くて、我が家ではカーテンレールにこんな感じで吊るしています。
壁に画鋲等が刺さるなら、この半透明のプラスチックフック部分の穴に画鋲を刺すだけなので簡単。
この黒いフレームと半透明のフックは購入時についているはずなので、お金をかけて丁寧に額に入れなくても15年は使えます!
裏から見るとこんなやつ。
すごい簡易なレールとフックだけど、軽いので十分に支えることができます。
壁にかけるだけで、部屋の雰囲気がグッとしまる。
そして邪魔もしない。飽きない。
エンツォ・マリが10年前に日本に来た時、会うことができた。
これはモノには変えられない。
まだご存命なのだろうか。今88歳になるはず。
また会いたいな。
発売して60年近く経っても、まだ販売されています。
正規取扱店はこちら。