フランク・ロイド・ライト
 旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)

date :1918年設計 1924年竣工
place :兵庫県芦屋市/Japan
訪問月:2009年5月


20世紀建築3大巨匠の一人フランク・ロイド・ライトの建物。
日本での設計では旧帝国ホテルが有名。

巨匠の残りの2人は、ル・コルビュジェとミース・ファン・デル・ローエ。
皆、建築だけでなく、付随する家具等でも名を残している。

ライトは生涯800以上設計をしたといわれているが、アメリカと
カナダと日本でしか建てられていないそう。
しかも現存してるのは母国アメリカ以外では日本だけらしい。
しかもその日本でも4つしかない。

・帝国ホテルライト館
・旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)
・自由学園明日館
・林愛作の邸宅(電通所蔵)

そんなレアな建物が近くにあると知って見に行ってきた。
名前だけは知っていたライト建築がこんな身近なものだったなんて。


10時~16時 水・土・日・祝のみ開館(※当時)で、入館料500円。
500円でライト建築が。すぐ横に無料の駐車場もあります。
GWで10組ぐらいの来客だったんで、いつもゆっくり見ることができそう。
でもよく考えてみると造られて80年以上も経ったものが、まだ集客してる。

元々は日本酒酒造会社オーナーの山邑太左衛門の別邸として建てられたものだったけど、戦後に淀川製鉄所の社長公邸として買い取られた。
ライト作品であることは忘れられて、独身寮として使われていたこともあったらしい。


ライト建築のデザインはワタシの今の好みとは違うが、随所にコダワリが感じられた。

建物の所々にある欄干。これは自然に溶け込むよう葉っぱをイメージしてデザインされ、
ビックリしたのが素材に銅を使いわざと錆びさせ緑青を発生させることにより色も
自然に近い緑色にしたそう。


そして大谷石(おおやいし)。建物の大半は大谷石でできているそう。
大谷石は加工しやすい為、ライト建築特有の浮き彫りが可能でしかも安価で堅牢らしい。
しかし風化が早い。なんでどの大谷石も劣化し時代を感じた。


ライトは建築デザインこそが全てのデザインの上に立つと考えた。
建築の中にある椅子や照明はそれに付随するものだと。
建築をデザインし尚且つその中のモノ全てをデザインし、傲慢な発言でも
知られるライトだからこそ言えた言葉かも。


この日はテラスで風が気持ちよくて、何より眺望が素晴らしかった。
自分が空を飛んでるように街全体が見渡せて、大阪湾まで見えた。
館内が撮影禁止だったのは残念だけど、また行ってみたい。

フランク・ロイド・ライトがデザインした照明。タリアセン2。
圧巻。