続き 名村造船跡地へ行った一番の目的はエンツォ・マリに会うこと。
Enzo Mari(エンツォ・マリ)と、Gabiriele Pezzini(ガブリエレ・ペッツィーニ)のトークセッションがあった。


以前もスクリーンプリントで触れたけど、好きなデザイナーの一人。
僕にとってはアルネ・ヤコブセンやアルヴァー・アアルトやフランク・ロイド・ライトのような映像や書籍でしか見ることのできない伝説の人。

そんなエンツォ・マリが日本のしかも大阪に来る。
もうマリは78歳。もうこんなチャンスはなかなか無い。


先着400名ということで入れるか心配だったけど、無事入場。


非常に気難しい人というイメージだったが、強い主張もしながら謙虚な人だった。
撮影は禁止ということだったけど、頼んできた人には気軽に一緒に写真撮ったり、ハグしたり、サインしたり。

トーク内容は僕の頭が悪すぎるのかほとんど理解できなかったけど、とても熱く、大声張り上げすぎて、身振り手振りが激しすぎてぶっ倒れるんじゃないかというくらいの熱弁でした。

もちろん通訳付きですが、あまりにもヒートアップしてほとんど通訳無視。
長いこと喋ってやっと通訳が始まったかと思えば、また喋る。
そして一息ついたかと思えば葉巻を吸いながらまた喋る。
それも2時間半の予定が3時間半もこの調子で。。
ガブリエレ・ペッツィーニはトータル10分ぐらいしかしゃべってないかも。

だけどデザインに対する熱いオモイはとても力強く伝わってきた。


マリはとても真摯であった。最初の挨拶が「このトークセッションに来てくれてありがとう。これは挨拶で言ってるんじゃない。本当に心の底からそう思っている。」というようなことを言ってた。
たとえその言葉が嘘であろうとも、そういう謙虚な姿勢を持ち続けていることが成功の一つの要因だと思う。

僕の印象に残った言葉は(間違ってるかもしれませんが)
・昔の知識が間違っているわけではないけれど、昔の考え方に捉われてはいけない。
・同じモノでも新しい見方をすれば変わる。
・機能に特化したアノニマス(無名)デザインが美しい。例えば車のエンジンとか。
・貧乏に生まれたことは幸運だった。
・デザインは一人でやるのではなく、工場なども含めた皆でやるプロジェクトである。
・ロボットになるな常に疑問を持て。今の私の言葉にすら疑問を持て。
・目指すのはアインシュタイン、ミケランジェロ、バッハ、アリストテレスetc...

他にもフランス革命以前には消費者は存在しなかった(市場の要求が無かった)上でのデザインの話とか、歴史的観点から見た話も多かった。
僕にとっては難しい話だったけど、真剣に真摯にいろんなことを考え実行してきた結果なんだと思った。


こんな図を描きながらいろいろ話してくれました。

横棒がいっぱい書いてあるけど、左端が今2010年。一番右のゴールを目指すために人は成長していく。
一番右のゴールのレベルはアインシュタイン等クラス。滅多に到達できない場所だけどそこを目指せとのこと。

ちなみにマリはこの辺りに到達しているそうです。赤丸。



今回初めて接することができてますます好きになった。



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