モエレ沼公園/イサム・ノグチ [アート]

イサム・ノグチ
モエレ沼公園
date :2005年竣工
place :北海道札幌市/Japan
訪問月:2013年7月




先月頭に北海道に遊びに行ってきた。
学生の頃に行ったことがあるのと仕事で行ったのとで今回で3回目の北海道。

学生のときは友人たちと車で、京都からずっと下道で、毎日テント泊しながら1ヶ月くらいかけて旅をした。
もうそういう時間はなかなか作れないけれど、その時の北海道の楽しい記憶をもう一度体験したくて。

北海道は道が広くて景色が雄大で、こっちではなかなか見ることのできない地平線が見えたりする。
美味しい食べ物がたくさんある。それも目的だったけれど今回は行きたい所があった。
ひとつがモエレ沼公園。

イサム・ノグチの最大にして最後の作品。
イサムが札幌に来たときにいろんな縁があって札幌で何かやろうということになったらしい。
その時の候補が高専高等学校、芸術の森美術館、そして当時ゴミ処理場だったモエレ沼公園の3つだった。最初の2つは制約があったり、すでに完成されたものであったりとあまり興味を示さなかったイサムだったけど、モエレ沼公園には目を輝かせて乗り気になったとのこと。

そもそもこのモエレ沼公園は1979年からゴミ処理場として不燃ゴミの埋立地となっていた。この土地をゴミ処理場とするときに地元の住民と約束したのが全ての土地をゴミ処理場として使い切った後には公園を作ると約束した。

ちょうどその頃1988年にイサムが来て、関わることとなった。

そしてその年末にマスタープランを完成させ、その年イサムはアメリカで急逝した。

それでも計画は頓挫することは無く、イサムのマスタープランに沿って進められていった。
大まかなところはマスタープラン通りだが、細かなデザインまでは決まっていなかったのでそういうところは現場の人たちがイサムの過去の作品を時にはアメリカまで見に行って忠実にデザインしたらしい。

そして15年後の2004年遂にモエレ沼公園は完成し、2005年よりグランドオープンした。

1977年にこの土地を最終的には公園にすると約束したところから始めると、実に28年もの歳月を重ね完成した。
イサム以外にも、誰だか分からないけれどその発案者、忠実にその約束を果たした人たちは、この国との約束なんて簡単に反故にされる世の中で経費をかけ、維持費をかけ今も継続していることも含めて価値のあるアートだと思う。


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今回はガイドを頼んだので受付にまずガラスのピラミッドへ。

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内部。夏は環境負荷低減のため冬の間に集めた雪を使った冷房システムらしい。
この日は30度を超す暑さだったけど涼しい。

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海の噴水。
昼のプログラムはショートプログラムなので見れなかったけれど、フルタイムのプログラムでは真ん中の部分が荒れ狂う海のようになる。

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それでも圧巻。この高さまで噴水を上げるのは電気代すごいらしい。

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噴水の床の模様はアメリカにあるもののデザインを踏襲したとのこと。
ちなみにこの噴水は10億円。

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他にもいろいろあった遊具。

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プレイマウンテン。

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プレイマウンテン頂上から見るテトラマウンド。

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ふもとから見るプレイマウンテン。
何人か忘れたけどとても多くの人が座れる。花火大会なんかも催されここに座って見る。

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テトラマウンド。
このステンレスの表面をわざわざデトロイトの噴水作品と同じ方法にするために、デトロイトの作品を作った技術さんに話を聞きに行ったらしい。イサムが作ったのはあくまでマスタープランだったので細かいことは分からなかったから。

意外にでかい。ブルレック兄弟も見に来てたアート。

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モエレ山。
高さ50mでこのランドスケープの中では一番高い。
この半分ぐらいまではゴミの山だそう。

それにしても広い。2時間ぐらいかけてみたけれどそれでも行ってない場所もあるし、物足りない。
写真にはないけれどこどもの遊ぶプールのようなところもある。
こども連れにはとても楽しめる場所だと思う。

北海道は四季それぞれがまったく違う景色を見せてくれる。
あと3回は行かないと。



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豊島美術館/内藤礼・西沢立衛 [アート]

内藤礼・西沢立衛
豊島美術館
date :2010年
place :香川県/Japan
訪問月:2013年1月


年始に岡山へ帰省したときに、親と豊島へ行った。
岡山と香川の間にある、フェリーで1時間弱の人口約1000人の島。
2010年に瀬戸内国際芸術祭が開かれた七つの島の内の一つ。その時行ったときに感銘を受けた島その時にできたアート作品はおやすみ中のものもあるけど、鑑賞できるものもあって、今回の目的は2010年の芸術祭の会期に施工が間に合わなかった豊島美術館が目的。

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どんな美術館なのかもよく知らなかったのに、フェリーに乗る前からそわそわ。
他にも見るものはあるけど、一直線に豊島美術館に向かう。港に着いてからは歩きながらカラダがふわふわしてた。最初はなんかさっきから落ち着かないなと思ってたら、久しぶりにわくわくしてる自分に気が付いた。
ここ数ヶ月楽しいことなんてほとんど無かったからそんな感情忘れてた。

内藤礼のアートが西沢立衛の建築の中にある。それ以外は何も無い、ただそれだけの美術館。

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それだけで1,500円の入館料だと考えると少し高いけど、まわりの棚田と自然に調和するようにイメージされた美術館でこのランドスケープ全体を楽しんでみるといいかもしれない。

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おそらくそういう意図のために、美術館に入るには少し回り道をして、豊島の自然を感じてからたどり着けるようなつくりになっている。

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建物のなかの撮影は禁止なので写真は無い。
豊島美術館はコンクリートの薄いシェル状の建物の天井に大きな穴が二つある建物。
柱が1本もないこの建物は今の最新の技術で構造上の強度を計算しやっと完成したものらしい。
まずは土の山をつくってその山にモルタルを塗る、そしてその上をコンクリートで固め、その後中の土を抜く。
簡単に言うとこんなつくり方らしい。

建物のなかにはあちこちで床から水が少しずつ出てくる。
その水玉が微妙につけられた傾斜をすべって形を保ったまま動いたり、合流して大きくなったり、ずっとみてて飽きない。

大きな穴を抜けてときどき風がさーっと抜けて行く。この建物の中を通り道みたいに。
そうすると水玉たちが一斉に動いてくっついたり、傾斜だけの勢いでは行けない所にいったり。

雨が降ったらまた違った風景が見られるんだろう。


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併設されているカフェは豊島美術館の小型版みたいで、くつろいで過ごせた。
特産であるオリーブを使ったオリーブライスはなかなか美味しい。

この後島を歩いて縦断したけど、この時期は常設の展示が少なくて見れるものが少なかった。
春からまた始まって秋ごろにはもっとまわりの島も巻き込んで芸術祭が行われるみたいなのでまた行きたい。

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豊島の塀。かなり独特な石の積み上げかた。

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豊島の猫。人への警戒心がほとんどなかった。
僕が横にいるのに海に向かって怒ってた。


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熊野古道なかへち美術館/SANAA [アート]

SANAA
熊野古道なかへち美術館
date :1997年
place :和歌山県田辺市/Japan
訪問月:2012年8月


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前々から行きたいと思っていた美術館。
熊野古道なかへち美術館。

金沢21世紀美術館なんかで有名な妹島和世と西沢立衛のユニットSANAAのデザイン。
とても小さな美術館で、気付かずに車で通り過ぎてしまったぐらい。

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平等院鳳凰堂 [アート]

5月は2回京都に行った。
高速使うと30分ぐらいでいけるのが有難い。
時間だけで考えると京都がとても身近に感じられる。

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草間弥生 永遠の永遠の永遠 [アート]

最近は休日もゆっくりできることが少ない。仕事も家も落ち着かない。
ただいま15連勤中。あと5日頑張れば休めるかな。まだまだ続くかな。


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そんな状況だけど、ちょっと前に草間弥生展に行ってきました。
仕事が大変であれば大変なほどプライベートを楽しまないとバランスが取れなくなってくる。
このブログも同じ。いつの間にかだんだんストレス解消の為の行為になってきた。

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兵庫県立 木の殿堂 / 安藤忠雄 [アート]

安藤忠雄
兵庫県立 木の殿堂
date :1994年4月竣工
place :兵庫県見方群/Japan
訪問月:2011年11月


バイクの車検が終わったので少し遠出してみた。
行き先は兵庫県豊岡方面。

まずは床瀬そばを食べに床瀬へ。大阪から約3時間の道程。
こっちの方だと出石そばが有名なんだけど、そば通の中では床瀬そばも有名らしい。

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その床瀬の中では新規参入の山椒庵へ。

ここのマスターは脱サラしてこの店を開いたんだけど、とにかくコダワリがある。
十割そばが好きな人にはおすすめです。

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国立国際美術館 風穴 [アート]

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少し前だけど久しぶりに美術館に行った。

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ずいぶん前に復活したのに報告していなかった愛車CB450に乗って。
ステーターコイル修理後、レギュレーターも変えてすこぶる好調。

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向かったのは大阪中ノ島にある国立国際美術館。

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瀬戸内国際芸術祭2010 女木島(Megijima) [アート]

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男木島のあとは女木島へ。

別名鬼ヶ島と呼ばれる島で、昔鬼が住んでいたといわれています。

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瀬戸内国際芸術祭2010 男木島(Ogijima) [アート]

せっかく鑑賞パスポートを購入したので期限の10月31日までにもう一度行こうということで先週、男木島・女木島に行った。

この島も先月行った直島豊島と同じ瀬戸内国際芸術祭2010の島々。

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今回は高松から移動。
まずは男木島へ。
入り口でジャウメ・プレンサの男木島の魂が迎えてくれる。
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昔々、男木島ではどの家でも牛を飼う習慣があった。そして農繁期には四国の農家へその牛を貸す習慣があった。
牛は一ヶ月くらい働いて骨と皮になって島へ戻ってくる。
島へ着くと、そこからは独りで主人の家を目指して帰ります。その時家を忘れたり道を間違えたりする牛はいません。
そして男木島では牛が事故などで無くなっても売りもしなければ食べもしません。丁寧に土葬するそうです。
※資料:西村望「男木島の歴史」


男木島といえばオンバ(乳母車)
島自体が迷路のような道で、しかも細い。
車はともかくバイクでも躊躇するような道。

そんな男木島でのモノを運ぶ手段としてオンバがある。

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ヴィンテージ。

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リペア後。



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谷山恭子 雨の路地
男木島では昔、お金よりも水が大切だったそう。

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中西中井 海と空と石垣の町


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西堀隆史 うちわの骨の家
うちわは香川の伝統的手工芸品だそう。


かなりゆっくりぶらぶら回っても4時間もあれば充分回れる。

車が通ることのできる道がほとんどない町は初めて見た。
独自に進化してきた島。

直島にも豊島にもにも無い独特の空間があった。


ネコものんびり。自由に。
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そして女木島へ。
かもめが整列して見送ってくれました。
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エンツォ・マリのトークセッション [アート]

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続き 名村造船跡地へ行った一番の目的はエンツォ・マリに会うこと。
Enzo Mari(エンツォ・マリ)と、Gabiriele Pezzini(ガブリエレ・ペッツィーニ)のトークセッションがあった。


以前もスクリーンプリントで触れたけど、好きなデザイナーの一人。
僕にとってはアルネ・ヤコブセンやアルヴァー・アアルトやフランク・ロイド・ライトのような映像や書籍でしか見ることのできない伝説の人。

そんなエンツォ・マリが日本のしかも大阪に来る。
もうマリは78歳。もうこんなチャンスはなかなか無い。

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先着400名ということで入れるか心配だったけど、無事入場。


非常に気難しい人というイメージだったが、強い主張もしながら謙虚な人だった。
撮影は禁止ということだったけど、頼んできた人には気軽に一緒に写真撮ったり、ハグしたり、サインしたり。

トーク内容は僕の頭が悪すぎるのかほとんど理解できなかったけど、とても熱く、大声張り上げすぎて、身振り手振りが激しすぎてぶっ倒れるんじゃないかというくらいの熱弁でした。

もちろん通訳付きですが、あまりにもヒートアップしてほとんど通訳無視。
長いこと喋ってやっと通訳が始まったかと思えば、また喋る。
そして一息ついたかと思えば葉巻を吸いながらまた喋る。
それも2時間半の予定が3時間半もこの調子で。。
ガブリエレ・ペッツィーニはトータル10分ぐらいしかしゃべってないかも。

だけどデザインに対する熱いオモイはとても力強く伝わってきた。


マリはとても真摯であった。最初の挨拶が「このトークセッションに来てくれてありがとう。これは挨拶で言ってるんじゃない。本当に心の底からそう思っている。」というようなことを言ってた。
たとえその言葉が嘘であろうとも、そういう謙虚な姿勢を持ち続けていることが成功の一つの要因だと思う。

僕の印象に残った言葉は(間違ってるかもしれませんが)
・昔の知識が間違っているわけではないけれど、昔の考え方に捉われてはいけない。
・同じモノでも新しい見方をすれば変わる。
・機能に特化したアノニマス(無名)デザインが美しい。例えば車のエンジンとか。
・貧乏に生まれたことは幸運だった。
・デザインは一人でやるのではなく、工場なども含めた皆でやるプロジェクトである。
・ロボットになるな常に疑問を持て。今の私の言葉にすら疑問を持て。
・目指すのはアインシュタイン、ミケランジェロ、バッハ、アリストテレスetc...

他にもフランス革命以前には消費者は存在しなかった(市場の要求が無かった)上でのデザインの話とか、歴史的観点から見た話も多かった。
僕にとっては難しい話だったけど、真剣に真摯にいろんなことを考え実行してきた結果なんだと思った。

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こんな図を描きながらいろいろ話してくれました。

横棒がいっぱい書いてあるけど、左端が今2010年。一番右のゴールを目指すために人は成長していく。
一番右のゴールのレベルはアインシュタイン等クラス。滅多に到達できない場所だけどそこを目指せとのこと。

ちなみにマリはこの辺りに到達しているそうです。赤丸。
コピー ~ R0015316.JPG


今回初めて接することができてますます好きになった。


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